「わかった」 #2

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「三田さんは、変な噂で仕事も振り回されて、本当に気の毒。結婚まで考えている人がいるのに。 秋吉さん、言ってることわかるわよね?」 「……はい」 秋吉さんは小さな声で頷き、俯いた。 「あの…本当に婚約を…」 「はい」 「……そう、ですか」 今まで睨むように私を見ていた秋吉さんの態度は、信じられないほど一変した。 私に怖ず怖ずと尋ねてきた姿に、あの挑発的な態度は微塵も感じられない。 「そういえば、正式にはまだってことは、親御さんとの挨拶はまだってこと?」 「はい。だから、まだ会社のほうに報告は…」 「そうね。皆もこのことはまだ他言無用よ。いいわね? じゃ、プライベートな話はこれで終わり!引き継ぎしましょ!」 東さんはサバサバとその場を仕切り、皆、仕事モードに突入した。 秋吉さんも反発することなく、今までのあの苦労は何だったんだろうと、力が抜けるほどスムーズだった。 ・
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