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「ねぇ…本来、仕事中だからこんなことダメだけど、課長達もいなくなったことだし、仕事が進めにくいから…
この際だから、三田さん、はっきり言っちゃいなさい」
「は?」
「ほらほら!」
東さんに急かされるけれど、何を言えばいいのか、全くわからない。
「な、何を…」
「だって、あなた、今日、指輪を左に付けてる」
「あッ!」
ペンを持っていた右手で、東さんはペン先を使って、私の左薬指を指す。
「今まで右に付けてたでしょ?
右の薬指に跡がついてるもの」
す、凄い!
さすが、やり手のキャリアウーマン!
観察眼が凄い!!
「何故、左に付けたのか、この場にいる人達に理由を話してあげなさい。それが手っ取り早いわよ」
頬杖をついて、東さんはにこやかに言った。
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