「わかった」 #2

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「ねぇ…本来、仕事中だからこんなことダメだけど、課長達もいなくなったことだし、仕事が進めにくいから… この際だから、三田さん、はっきり言っちゃいなさい」 「は?」 「ほらほら!」 東さんに急かされるけれど、何を言えばいいのか、全くわからない。 「な、何を…」 「だって、あなた、今日、指輪を左に付けてる」 「あッ!」 ペンを持っていた右手で、東さんはペン先を使って、私の左薬指を指す。 「今まで右に付けてたでしょ? 右の薬指に跡がついてるもの」 す、凄い! さすが、やり手のキャリアウーマン! 観察眼が凄い!! 「何故、左に付けたのか、この場にいる人達に理由を話してあげなさい。それが手っ取り早いわよ」 頬杖をついて、東さんはにこやかに言った。 ・
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