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「わかった」 #2
「すみませ~ん」
「お!来たか」
うちの部署の入口から、凄く綺麗な女性が声をかけ入って来た。
長い黒髪を右サイドで纏め、ビシッとスーツを着こなし、デキル大人の女性って感じだ。
「あ!古賀君、いたいた!」
「よう!東(アズマ)!」
東さんは、ツカツカと古賀主任の元へ歩み寄って来た。二人とも以前から知り合いのようだ。
「ウルラビの担当交代の挨拶に来たんだけど」
「ああ…じゃあ…」
「待って。前任者と課長も来てるから」
古賀主任は私に立つように目配せしたけど、東さんにニッコリ顔でそう言われ、私は咄嗟に入口のほうを見た。
しかし、安井さんも秋吉さんも入って来ていない。
「横の会議室で待機させてるの」
「わかった。うちの課長も連れて行くわ」
「うん。よろしくね」
東さんは、手を挙げて、踵を返して出て行った。
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