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すると
チュッ!
「ーーッ!」
「いってらっしゃいのチューね」
と、私に軽くキスをして、私の身体を解放した。
くぅ~ッ!
出掛ける前に恥ずかしい~!
私は真っ赤な顔を隠しつつ、ロボットのようなぎこちない動きで、玄関の扉に手を掛ける。
「あ!今の見本だから」
「へ?」
ドアノブに手をかけたまま、マヌケな声を出し、顔だけ将さんのほうを向く。
見本って何のこと?
「結婚したら、文香の朝の日課になるから、よろしくね!」
朝の日課!?チューが!?
「なッ、何、言ってるんですか!もう!」
「いや、マジマジ。
文香から、ちゃんとしてね?」
「~~~ッ!…行ってきます!!」
意地悪な笑みを零す将さんの言葉には応えず、私は家を出た。
きっと、絶対にまだ玄関先で笑ってるはず!
悪魔のオオカミめ!!
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