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結ちゃんは、三つ年上の私の義兄だ。現在は、東京で働いているので、なかなか会えない。
「フフッ…結ちゃん、結婚が決まりそうなのよ」
「え!?ホントに!?」
結ちゃんが結婚!?
母が嬉しそうに頬を緩ませ、グラスの水を一口含んだ。
結ちゃんが4年前に就職して東京に行ってから、私がたまたま実家に帰った時に偶然一度会ったきりで、近況を全く知らなかったので、驚いた。
そっかぁ…結ちゃんも結婚かぁ
「…よかった……」
私はポツリと呟いた。
私の胸の中で、嬉しさと安堵の感情が広がる。
結ちゃんは、義父と母が再婚してから、母に虐げられ続けた私の唯一の味方だった。
しかし…
結ちゃんは、いつの間にか私を妹としてではなく、一人の女性として意識するようになってしまった。
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