対面

22/27
前へ
/35ページ
次へ
「大口のお客様って…」 「正確には、そのお客様のお孫さんが、文ちゃんの見合い相手だ」 「孫!?」 どうして、孫が私を名指しするのよ!? 一体、誰なのよ!! 釈然としない状況に、靄がかかったような状況に、どうしようもないイライラとモヤモヤが、とぐろを巻いてうごめいている。 「私のお見合い相手って、一体………あッ!」 突然、私の頭の中に、このお見合い相手と思える人物が浮かぶ。 まさか… まさか… 私が、その人物の名を口にしようとした、その時 コンコン…カチャ 「失礼します」 ノックの後に、ゆっくりと部屋に入ってきたのは 「横山…君……」 私以外に見せるいつもの猫被りの笑顔を顔に貼付けて、ずる賢い猫がそこに立っていた。 ・
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

651人が本棚に入れています
本棚に追加