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「どうして…ここに……」
フリーズした頭に浮かんだ言葉を、そのまま震える声で吐き出す。
「迎えに来たんだ」
「む、かえ…?」
横山君は作り笑顔のまま、私にそう言った。
そして、私に向けていた目線を私の両親に動かし、二人に話し掛ける。
「お待たせしました。私の両親が到着したので…」
「まあ!そうですか。すみません。わざわざ、ご本人が…」
母は、作ったような柔らかい声色を出し、立ち上がって一礼する。
義父も私を気にしつつ、立ち上がり、頭を下げる。
「申し訳ありません。まだ、娘と話が終わってなくて…」
「ああ。そうですか」
目の前で横山君と両親が当たり前のように会話している状況が全く理解出来ない私は、ただ立ち尽くし、信じられない面持ちで見るほかない。
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