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「大変お待たせしました」
「いやいや…こちらこそ、時間通りに来れず、申し訳ない」
部屋に入るなり義父が頭を下げると、一人の男性が座ったまま手を挙げ、横柄な態度で謝った。
多分、彼が横山君のお父さんなのだろう。
偉そうな感じが親子そっくり…
ぽっちゃりした顔に眼鏡をかけた横山君の父親は、シャープな顔立ちの横山君とは全く違うけれど、仕草や話し方がよく似ていて、二人の遺伝子の繋がりを感じさせる。
その人の隣に座る女性は、楚々とした佇まいで、顔は横山君によく似ている。こちらは横山君のお母さんだろう。
そして、両家の面々が向かい合う座席の間、いわゆるお誕生席に、面識のない中年の男性が座っている。両家を取り持つ仲介者のようだ。
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