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私はただ、そこに座っているだけで、愛想笑い一つ、浮かべることも出来ない。
こんなお見合い、横山君の仕組んだ茶番劇じゃない!
終わったら、即、断りをいれてやる!!
胸の中で、そう固く決意する。
私の苛立つ気持ちなんて知るはずもない仲介者は、スラスラと愛想よく横山君の経歴などを話している。
義父や母は、それを感心するように聞いているが、私はこの場をやり過ごすことにしか興味がない。
しかし、次に発せられた仲介者の発言で、私は衝撃な事実を知ることになる。
「圭助さんのお父様、大悟様は、
R=D(アールディ)の副社長でいらっしゃって…」
「え?」
待って…今…
「……R=Dって…あの?」
聞き覚えのある名前を、震える声で尋ねる。
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