袋小路 #2

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「わからない?将来、俺が選挙に出る時に…だよ。つまり俺は、横山家の後継ぎなのさ」 横山君は目線を下に向け、吐き捨てるように言った。 選挙に後継ぎ…全く別世界の話で、私には何一つピンと来ない。 「爺さんの子供は、うちの親父とその兄貴、あとは女2人だ。そして、その叔父と叔母達の中に息子は産まれなかった。 横山家の直系で、男なのは親父と叔父と俺だけだ。 だから、爺さんは唯一の男の孫である後継ぎの俺を溺愛しているんだよ。 爺さんは我が家の絶対的存在だ。誰も逆らえない。親父でも。 でも、俺は別。爺さんのほうが俺に逆らえない状態さ。 だから、誰もが俺の言う通り。凄いだろ?ハハハッ!」 横山君は笑っているのに、とても苦しげで淋しそうな表情で…。 まただ… 私…どこかでこの横山君と同じ表情を見たことが… デジャヴュ? どうしても思い出せなくて、歯痒い。 ・
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