袋小路 #2

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「最後の切り札は取っとくものだろ?」 そう言って、不敵な笑みを零す横山君。 最後の切り札… 確かに、この切り札は私の立場を一気に変えた。 私のお見合い相手が横山君 将さんの会社の副社長が横山君の父親 将さんの将来を脅かす私の存在 だけど 「横山君…あたしとお見合いなんかして、どうするつもりなの? 本気で結婚する気なんてないでしょ?」 横山君は私を手に入れたいというけれど、結婚までの覚悟はないはずだ。 いくらなんでも、そこまでは… しかし 「俺はお前と結婚してもいい。 お前が手に入るのなら。奴から奪えるのなら。 だから…最後の切り札を切ったんだ…」 横山君の真っ直ぐな視線が私を捕らえる。 私は予想外の応えに、声が出ない。 ・
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