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「最後の切り札は取っとくものだろ?」
そう言って、不敵な笑みを零す横山君。
最後の切り札…
確かに、この切り札は私の立場を一気に変えた。
私のお見合い相手が横山君
将さんの会社の副社長が横山君の父親
将さんの将来を脅かす私の存在
だけど
「横山君…あたしとお見合いなんかして、どうするつもりなの?
本気で結婚する気なんてないでしょ?」
横山君は私を手に入れたいというけれど、結婚までの覚悟はないはずだ。
いくらなんでも、そこまでは…
しかし
「俺はお前と結婚してもいい。
お前が手に入るのなら。奴から奪えるのなら。
だから…最後の切り札を切ったんだ…」
横山君の真っ直ぐな視線が私を捕らえる。
私は予想外の応えに、声が出ない。
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