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「この縁談を断るつもり?
あいつが会社をクビになるかもしれないよ?」
「やめて!!」
将さんに何かあったら…
横山君の脅し文句に、私は耳を塞ぎ、首を振る。
「それに、三田家からはこの縁談を絶対に断れない」
横山は更に追い撃ちをかける。
私の脳裏に苦しげに懇願する義父の姿が思い浮かぶ。
そういえば…
お義父さん、大口の取引先からの申し出でこのお見合いをって…
一体その取引先はどこの誰なの?
「断れないって、どうして…?」
私は恐る恐る尋ねる。
「俺の爺さんには、逆らえないからさ」
横山君の…お爺さん?
横山君のお爺さんまで、私達に何か関係があるの?
一体どこまで私を包囲する網があるのか…聞けば聞くほど恐ろしくなってくる。
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