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義父が、このお見合いを断れなかった理由が、やっとわかった。
いくら地銀の役職についてるからって、一介の銀行マンの義父が、こんな大物政治家の申し出を蹴るなんて無理だ。
格が違いすぎる…
横山君のお父さんとお爺さん…
二人の社会的地位を考えれば、権力という名の圧力は相当なものだろう。
しかし…
そんな大層な家柄の横山家が、私のような一般家庭の娘を結婚相手になんか望むのだろうか?
それも私は、義父と養子縁組はしているものの、あくまでも義理の娘だ。
今のご時世に古いかもしれないけれど、横山君とは身分違いじゃないだろうか。
「横山家の家柄を考えれば、あたしが嫁ぐなんて喜ばないでしょ?
それに、あたしは三田の本当の子供じゃない。義理の娘だよ?」
私はこの言葉に一縷の望みを托す。
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