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袋小路 #2
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「では、このあとは若いお二人でお話いただいて…」
すべての料理を食べ終わると、お見合いの常套句を仲介者の男性が述べた。
「そうだな。じゃあ、圭助、二人で中庭ででも散歩して来たらどうだ?」
「そうですね。では…」
横山君のお父さんがそう言うと、横山君は頷き、立ち上がった。
そして、私も横山君に促され立ち上がり、共に退室した。
私は、とりあえず横山君の父親の重圧から逃れられて、ホッとする。
「はあ…」
部屋を出た途端よろめき、壁に手をついて溜息をついた。
気持ち悪い…
無理矢理詰め込んだ胃の中の料理は、思いの外、私にダメージを与えている。
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