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独りよがりの思い上がり #2
その直後
「やめっ…ハッ…横や……ハッ…」
「ふー…?」
「ハッ…ハッ…くるしっ…ハッ…ハッ…」
「ふー!おい!大丈夫か!?」
「…息が…ハッ……ハッ…ハッ…ハッ…」
上手く呼吸が出来ない。
ああ…ダメだ…
暗闇が……
また暗闇が……
「ふー!ふー!!しっかりしろ!」
横山君がしきりに叫んでいるけど、すでに声は遠くにしか聞こえず、私の意識は息苦しさとともに、段々と薄れていく。
この場所が汚れるくらいなら
いっそ私の息が止まってしまってもいい…
お願いだから、ここは汚さないで…
やっと見つけたから
やっと安らげるから
私にはここしかないから
だから、お願い…
あの時のように
私の居場所を汚さないで
奪わないで
だって、私はどこに戻ればいいの?
暗闇の中には戻りたくないのに…
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