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一週間の猶予 #2
何を企んでいるか凄く気になって、顔を覗き込んで様子を伺うけれど、教えてくれそうにない。
将さんは私の頭をぽんぽんと軽く叩いて、私から離れ、義父の前へと行き、対峙する。
「お義父さん…お願いがあります。もう少し時間を下さい。
三田家から縁談を断るのが難しいのであれば、先延ばしをして欲しいんです」
真正面から義父を見つめ、真剣に頼む将さん。
「時間と言われても…
あちらから早く縁談を進めるよう催促されているのを、なんとかごまかしているくらいなんだ。
私の力じゃどうにもできない。
それなのに、一介のサラリーマンの君が、どう太刀打ちするというんだ」
義父は溜息まじりに力無くそう言った。
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