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切なげな表情を浮かべる将さんに、少し戸惑う。
「えっと、あの…あたし、将さん以外なんて考えたこと…」
今まで将さん以外の男性を知りたいなんて、微塵も考えたことないのに…不安?
「うん。わかってるんだ。
だから、これはあくまでも俺の中の問題なの。
『俺しか知らない文香』を死守したいっていう自分勝手な思いから、俺の独占欲は異常に強いんだよ」
将さんは、私の両手の上に、自分の両手を重ねる。
「だから、文香がもし横山に…て考えたら、ぞっとする。
文香を無理矢理奪おうとしたアイツは絶対に許さない。
文香は、俺だけの文香なのに…」
「将さん…」
重ねた手にぐっと力を入れ、私の頬を優しく撫でた。
綺麗な顔で真っすぐ私に向けられた揺れる眼差しに、心臓の音が高鳴る。
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