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「文香、ごめんね?」
「………」
「怒っちゃった?」
「次は……」
「次は?」
「………牛乳下さい」
「フフッ…はい。どうぞ」
首を傾げて、甘えた口調で謝る将さんに、怒ることが出来ない私。
だって、可愛いんだもん。
私は、将さんが口へと寄せた牛乳を、ストローでズズッと吸い上げる。
「やっぱり優しいね。文香は」
将さんは目を細め、私を見つめ、はにかむ。
そして、ふっと表情を変えた。憂いを帯びた瞳へ。
「文香…」
「はい」
「本当に今日一日だけでいいから、俺の独占欲をいっぱいに満たさせて欲しいんだ」
「将さん?」
将さんは切なげな声で話す。
「…やっぱり、ちょっと…いや、かなり凹んだというか
ううん、違うな…
凹んだというより、嫉妬で狂いそうだった…ってほうが正しいかな」
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