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その直後、将さんはチッと舌打ちして立ち上がり、横山君へと近付いた。
長身の将さんが、横山君を冷たく見下ろす。
「初めまして。横山新之助の孫」
「なッ!」
将さんの挨拶に、社内はまたザワザワとざわつき出す。
うわぁ…極秘扱いの横山君のこと、あっさり、バラしちゃったよ…
私は二人の対面にハラハラしだして、涙も引っ込んだ。
「今、お前に口出しされるとややこしくなるから、とりあえず黙ってて」
「何で、お前に指図されなきゃいけないんだ!
人の素性を勝手にバラしやがって…!」
「フッ…お前がそれ言うの?
人の女の周りを、番犬使って嗅ぎ回っといて。
ろくでなしのお孫様」
「何だと!お前だって、ふーを騙してたんだろ!?
ろくでなしはどっちだよ!!」
うわぁ…暴言の応酬だよ…
どちらも全く引く気配がない。
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