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「ハァー…めんどくさい男だな。
ねぇ、コイツ、殴って黙らしちゃダメ?」
親指で横山君を指差し、振り返って、とんでもないことを確認する将さん。
「ダメダメダメ!!」
「駄目に決まってんだろ!」
「駄目です!」
私と古賀主任と岩尾さんが、同時に青い顔で制止の声を上げる。
「お前、自分が空手黒帯だって、自覚しろよ!!」
「就任前に傷害事件は勘弁してください!」
古賀主任と岩尾さんのツッコミに、私もブンブン頭を縦に振る。
横山君が思わず後退ったことは、気付かない振りをしてあげよう。
「ということだから、殴りはしないけど、大人しくしててよ。
お前だって、この状況の種明かしをして欲しいだろ?後からお前とも、たーっぷり話するからさ」
口の端を上げ、冷笑する将さん。
ああ…その笑顔が恐ろしい…
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