腰抜かす #2

2/9
前へ
/35ページ
次へ
「おい!将!お前、何で黙って…」 「古賀主任。ここは職場ですよ」 将さんに詰め寄ろうとした古賀主任が、笑顔で岩尾さんに窘められている。 岩尾さん!あたしだって、横山君や古賀主任と同じこと聞きたいんです! 同じ職場になるという甘い誘惑よりも先に、この余りにも現実離れした現実に混乱している。 将さんがうちの会社の常務… 何で?嘘でしょ? どうして? あれ? でも、待って… 私、将さんの婚約者、ってことになるんだよね…? だからもし、このまま結婚したら… そう考えたら ドンガラガッシャーン!! 更に混乱して、身体の力が抜けてしまい、大きな騒音とともに、私の身体と一緒に椅子も倒れた。 またも静まる部署内。 「お約束通りだな…」 へたり込んだ私の姿に、顔を引き攣らせ、そう呟いたのは古賀主任。 ・
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

636人が本棚に入れています
本棚に追加