腰抜かす #2

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「フフッ…大丈夫。俺が切ったから」 胸ポケットに携帯をしまう将さんをぼんやりと見つめる。 「さあ、いい加減、立って」 「はあ…」 握ったままの私の手を、将さんが引っ張る。だけど、私の足の力が全然入らない。 「あ、あれ?」 どうやっても立ち上がれない。 「ブッ!クックックッ… 文香、そんなに驚いたんだ?」 「え?」 私はキョトンとして、将さんを見上げる。 「キスもしてないのに、腰抜かしちゃって」 「はい?」 「ついでだから、キスしとく?」 「はあっ!?」 咄嗟に危機を感じて、私は慌てて、握られてないほうの手で口を隠す。 「え~、ケチだなぁ。文香」 「ついでだからって、キスする訳ないでしょ!こんな人前で!!」 ん?こんな人前? 人前!!! ・
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