腰抜かす #2

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私はハッと気付いて、周りを見渡すと、呆気に取られた顔、顔、顔。 横山君も寧々ちゃんも、古賀主任や岩尾さんまでもが、ポカーンとした顔でこっちを見ている。 そうだよ!今、会社だよ! 何、将さんのペースに乗っちゃってるの! 「将さ…」 「よいしょっと」 「ひあっ!」 私が話し掛けようとしたら、将さんがひょいと私を抱き抱えた。 「ちょっ!将さん!降ろし…」 「ごめん、そこの君。椅子を戻して」 「はいぃ!」 寧々ちゃんは将さんに言われて、弾かれたように機敏に動いて、倒れていた私の椅子を戻す。 そこへストンと降ろされた私。 「な、な、な…何を…!」 「いや、地べたに座りっぱなしもどうかと思って」 「そういうことじゃなくて!!」 「ん?」 どこまでもマイペースで、人の視線なんて、へっちゃらな悪魔のオオカミ。 ・
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