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「実はさ…」
将さんの真面目な声色に、私はゆっくりと将さんへ向き直る。
「実は俺、ここの社長の甥っ子」
「は?」
社長の甥っ子…?
「「「「ええーーーッ!!」」」」
将さんが言ったことが、私の中でまだ整理出来ずいるのに、フロア中はその事実に騒然となった。
「いや…あの……甥っ子って…?」
「だから、俺の叔父貴が、SMASHの社長ってこと。桜さんの旦那さんだよ」
頭の中で、私が煎れた紅茶を美味しそうに飲む社長の姿が浮かぶ。
次に浮かぶのは、紅茶を煎れてくれる優しい桜さんの姿。
そして、目の前には、桜さんにそっくりな優しい笑顔の将さん。
「うっ…そぉ……!」
ドンガラガッシャーン!
椅子から滑り落ちた私。
「…やっぱり、お約束通りだな」
もちろん古賀主任の呟き付き。
やっと、すべてが符合して、また腰抜けました。
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