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権力には権力を #2
「将は…ある目的の為に、あえてR=Dに入りました」
……ある目的?
含んだ言い方が気になり、皆、社長の次の言葉を待っている。
社長は、表情を変え、厳しい眼差しで、副社長達を見つめた。
「将の目的は、R=Dの実態調査。はっきり言えば、R=Dの内偵です」
R=Dの内偵!?
「な、なぜ、そんなことを!?」
「内偵なんて、どうして!?」
副社長二人が立ち上がり、凄い勢いで抗議をする。
なんだか、二人とも焦ってるような……?
でも、内偵ってことは…
「じゃ、じゃあ、社長と将さんが、あたしに黙っていたのは…」
「うん。本当に企業秘密だったんだ。内偵なんて、要はスパイ行為だからね。業務命令だから、漏らす訳いかないし」
「そうだったんだぁ…」
つい漏れた私の言葉に、将さんは困ったような表情で説明した。
話したくても話せなかった状況だったということか…
将さんが、肝心なことを今まで話してくれなかったことも納得がいく。
「言う通り、スパイ行為じゃないか!」
「何の権限があって、SMASHの身内が、うちの内偵なんぞするんだ!!」
しかし、副社長二人は更にいきり立つ。
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