権力には権力を #2

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「ハアー…私が独断でそんなことするわけないでしょう。私はある人に命令されただけですよ」 社長は二人の大声にげんなりするように、身体を椅子の背もたれに預け、眉尻を下げた。 「だ、誰に!?」 「まだ、分かりませんか?」 「長谷部社長に命令……ま、まさか…!」 「そう…毛利副社長のお察しの通り………R=Dの出資者ですよ」 「R=Dの出資者?」 R=Dの出資者って誰? 毛利副社長はピンと来たようだけど、横山副社長はまだ首を傾げている。私も誰だか、全くわからない。 「ああ…創業時を貴方はご存知ないから、知らないかもしれませんね。 R=Dの出資者とは…… 私の父のことです」 「ハッ!…長谷部の御大が!?」 長谷部のオンタイ!? 社長のお父さん(つまり将さんの叔父さんのお父さん)が、何とも御大層な呼び方をされていて、ギョッとする。 『御大』だなんて……凄く偉い人じゃないと呼ばれないよね? ・
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