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「ハアー…私が独断でそんなことするわけないでしょう。私はある人に命令されただけですよ」
社長は二人の大声にげんなりするように、身体を椅子の背もたれに預け、眉尻を下げた。
「だ、誰に!?」
「まだ、分かりませんか?」
「長谷部社長に命令……ま、まさか…!」
「そう…毛利副社長のお察しの通り………R=Dの出資者ですよ」
「R=Dの出資者?」
R=Dの出資者って誰?
毛利副社長はピンと来たようだけど、横山副社長はまだ首を傾げている。私も誰だか、全くわからない。
「ああ…創業時を貴方はご存知ないから、知らないかもしれませんね。
R=Dの出資者とは…… 私の父のことです」
「ハッ!…長谷部の御大が!?」
長谷部のオンタイ!?
社長のお父さん(つまり将さんの叔父さんのお父さん)が、何とも御大層な呼び方をされていて、ギョッとする。
『御大』だなんて……凄く偉い人じゃないと呼ばれないよね?
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