703人が本棚に入れています
本棚に追加
オオカミご立腹 #2
確かに、孫とはいえ、こんなに大きくなった青年を、小さな子供をあやすように、頭をヨシヨシしている姿はちょっと痛い気がする。男性陣より女性陣のほうが引き気味だ。
そんな微妙な雰囲気を断ち切るように、社長が話し出す。
「とりあえず、皆さん、適当に着席して貰えますか。それから、話を始めましょう」
皆が社長の言葉に促されて、それぞれ着席する。
御大は末席に座っていた岩尾さんの隣に、千夏と藤沢さんは空いていた寧々ちゃんの隣に二人並んで座った。
横山議員は横山君を自分達の隣へ連れて行き、私達の向かい側へと着席した。
私は横山君と少しでも離れる事が出来て、ちょっとホッとする。私の中で、やはりまだ、横山君に対しての警戒感が根強いのだ。
「さて、と……皆さん揃ったので、先ずは結果発表といきましょうか?」
結果発表??
着席して落ち着いた皆に、将さんは嬉しそうにそう言った。
このにこやかな顔が胡散臭く感じるのは私だけ?
・
最初のコメントを投稿しよう!