最後の難関 #2

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「ああいう気が強いタイプは、案外、惚れた男には従順だったりするんだよ。俗に言う、ツンデレだ。ツンデレ」 なるほど、千夏のあの様子をツンデレというのか… 古賀主任の言葉になんとなく納得する。 「良さん、ツンデレ得意ですもんね。ユキさんもツンデレだし」 「うっ!ここで嫁の話題を出すな!!」 将さんが奥さんのユキさんのことをからかうと、途端に慌てる古賀主任。 ホント、古賀主任は、奥さんの話題にはからっきし弱いよなぁ。 私が古賀主任の弱点にほくそ笑んでいると、寧々ちゃんのボヤキが聞こえてきた。 「あ~!千夏さんに、やっぱりサイン貰っとけば良かったぁ。 あの時、すぐにモデルの千夏だって気付いたんですけど、さすがにあの中では言い出せなくってぇ…」 あんな大御所が集まっている中で、言い出すことが出来てたら、逆にすごいよ。寧々ちゃん… 寧々ちゃんのミーハー魂が、空気を読める程度の良識を持っていて、ホッとする。 ・
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