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というわけで、先に夕食を済ませ、(私が手伝うのも失礼な気もするが)二人でラッピングを開封したのだけれど…
「「………」」
不貞腐れ顔の私とげんなり顔の将さんが無言でテーブルの上を見つめる羽目に。
ラッピングの包装紙やリボンを解くたびに出てきたのは、名刺やメッセージカードに書かれた数々のメアドや携帯番号、ラブレター。
そして、如何にも高そうな有名店のチョコや手作りチョコのオンパレード。
義理チョコらしきものはなくて、皆さん、見事に下心付き。
「ね?お返ししないほうが逆にいいんだよ。
下手に期待させちゃいけないからね」
さすが、難航不落のイケメン。
モテ男は凡人とは言うことが違う。
「……ですね」
しかし、これはもう将さんに賛同するしかない。
例え、この中に下心無しの義理チョコが存在していたとしても、一つでもお返しをしたら、これまた一騒動だ。
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