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それに、このチョコの贈り主たちは、私のライバルなのだ。
将さんに同棲中の彼女がいるというのは、会社では有名な話になっているらしいのに、ここまでアピールしてこられると…
さっきまでは、義理チョコもあるかもしれないから…と少し安易に考えていた私だけれど 、こんなに挑戦状的なチョコ達を目の当たりにして、おもしろくないというのが正直なところ。
「ホントはさ。今日の分は、マジで捨てて帰るつもりだったんだ」
「え?」
「でも、荷物が多いからって、帰りが同じ方向の同じ部署の先輩がわざわざ車で送ってくれることになって、さすがにね」
「そ、そっか」
私の頭をわしゃわしゃと撫でて、優しく微笑む将さん。
「ごめんね?」
「え?いや!そんな、将さんが悪いわけじゃっ」
昨日までとは違い、今日貰ったチョコは同じ会社の人のものが断然多い。
だから、私が不安にならないように気を使ってくれているのだろう。
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