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「うん。でも、来年はいつも通り全部断る。
俺は文香以外のチョコは欲しくないからね」
そうニッコリ笑顔で言われてハタと気づく。
「ああっ!あたし、まだ、チョコ!!」
他人様のチョコばかりが気になり、すっかり自分が用意したチョコを渡し損ねていたのだ。
「うん。すっかり忘れてたよね?」
小首を傾げて、キラキラスマイルな将さん。
その眩しい笑顔が逆に恐ろしい。
「いつくれるのかなぁって思ってたけど、まさか、先に彼女以外から貰ったチョコの確認させられるなんて思わなかったよ」
「あ…うぅぅ」
…ですよね。
余りのチョコの数に圧倒されて、ついつい。
でも、ホント、自分の首を絞めるようなこんな滑稽な作業を、何一生懸命にやってんだか…ハァ-…
自分のバカさ加減に溜息。
「で?」
「はい?」
「……」
キョトンとする私を無言で見下ろし、徐に手を差し出した将さん。
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