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「でも、今年からは違う」
「え?」
「文香と一緒に暮らし始めたから、全然違う」
「違う?」
チョコはどう見てもついて回ってきたのに?
特に今年は断ることが出来なかったから、チョコの数は多いはずだ。
「うん。文香が傍にいるから、憂鬱なまま一日を終えなくていいから。ね?」
柔らかく微笑んで、将さんは再び一口分のチーズケーキを私に差し出す。
「…ありがとう」
「フフッ…何で、文香がお礼を言うの?」
だって、凄く嬉しいこと言ってくれるんだもん!
私の存在が将さんのプラスになるなんて、こんなに喜ばしい事はない。
にやける顔を誤魔化したくて、口を大きく開けて、フォークへとかぶりついた。
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