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そもそも、始まりは1週間前。
将さんが、会社で所属している広報部の部長の挨拶回りのスケジュールを担当したのが発端。
関係取引先に連絡し、将さんが部長に同行することになったそうだ。
すると、まず一件目に訪れた先で、部長と共にチョコを差し出されたそうだ。
そして、将さんは部長の前でも構わず、受け取りを断ろうとした。
しかし…
「崎村君、わざわざ用意してくれているのだから、受け取らないと女の子に失礼だよ。アッハッハ!」
と、チョコを貰えて上機嫌の部長は、高笑いで将さんを諫めたらしい。
上司から直々に言われたら、さすがに断れない。渋々、将さんは始めの1個を受け取った。
すると、まだバレンタインデーではないのに、部長と共に行く先々でチョコを渡される。
下手すれば、部長の分はなくて、将さんだけ渡される所まで出てくる始末。
部長もさすがに自分の方がついでにチョコを貰えていると解ってくるけれど、最初にああ言った手前、引っ込みがつかない。
「こんなにチョコを貰ったのは初めてだよ~!崎村君のお陰だなあ」
と、顔を引きつらせながら、笑っていたそうだ。
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