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「何言ってんのよ!ここまで準備してやったでしょ!」
「俺は頼んでないつーの」
「ちょ、ちょ、二人とも!」
結婚式というめでたい席でも、相も変わらず犬猿の仲の二人に、おろおろしてしまう。
すると、
「はいはーい!すみませんねぇ!
空気の読めない親友と嫁に代わりまして、俺が進行しまーす!」
「なッ!」
「チッ!」
「ああ…藤沢さぁ~ん」
将さんの手からマイクを奪い、前に出てきた藤沢さん。
私は安堵の表情で、こういう時に一番頼りになる藤沢さんに縋るような目を向ける。
千夏様のこめかみに怒りマーク、オオカミの舌打ち…は、この際、スルー。
「将!ふーみん、寂しそうだぞ。いいのか?花嫁がまた泣いちゃっても。
千夏!お前は俺の隣以外はダメだろ!ほら、おいで」
藤沢さんは、そう言うと、ニッと口角を上げた。
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