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「そっか、そっか!よかったね、結ちゃん。おめでと!おめでッ…!」
またもドバーっと流れ出す涙。
「文香、涙でメイクがぼろぼろだね」
「うぅ…そんなこと、言わないでぇ…ヒッグ…」
苦笑いしながら、将さんが私の目へハンカチを当てる。
顔がパンダになってないといいけど…
「あ~あぁ…文ちゃん、ほんとにこいつと結婚すんだなぁ」
「ええ~?」
口を尖らせ不貞腐れ気味で結ちゃんがそんなことを言うもんだから、私は目をパチパチさせて見上げた。
「何それ。自分も結婚すんでしょ」
すると、将さんも不貞腐れ顔。
「相手がお前ってところがムカつくんだよ!
義理とはいえ、こんないけ好かない奴が弟なんて~」
「チッ!こっちだって、あんたが兄だなんて、いけ好かないっての!」
「こらこら、二人とも!」
私は助長しそうな二人を窘める。
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