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「あ!そうだ!ちょっと、待ってて!」
結ちゃんは、突然、会場に置いてあった自分の鞄から、パソコンを取り出してきた。
「綾乃も怒ってた!」
「へ?綾ちゃん?」
「そうそう」
4歳下の私の異父妹の名前に、間抜けな声で聞き返す。
結ちゃんは、そんな私を愉快気に一瞥し、パソコンを立ち上げて、スカイプを起動させた。
そして…
「ちょっほ~!今、ご飯中、なんらけほ~!!」
口をもごもごさせて、不機嫌そうな綾ちゃんが。
「ごめんごめん。綾乃、今、そっち、何時だっけ?」
「夜の7時くら……あーーー!文ちゃん!!」
「綾ちゃ~ん!」
無造作に前髪をちょんまげにし、結ちゃんそっくりな大きな目を、さらに見開いている綾ちゃん。
私は、嬉しくて、画面の綾ちゃんに手を振る。
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