Morning #3

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パソコンの中で綾ちゃんもホセさんも笑っている。 隣にいる結ちゃんと郁美さんも。そして、お義父さんもお母さんも。 皆、皆、笑っている。 私達、皆、家族なんだね。家族で笑っているんだ… パソコンを囲んで、わいわいと笑い合う皆を見ながら、感慨深い感情が押し寄せて来る。 小さな頃からどうしようもない孤独に、膝を抱えて泣いていた。 それが今、こうして血の繋がりを超えた結び付きの中で笑っている。 嬉しくて笑っていたいのに、幸せすぎて泣きたいなんて、おかしいかな? 談笑する中、懸命に涙をこらえていると、ぎゅっと私の肩を抱かれた。 見上げると、将さんが優しく微笑んでいる。 「我慢しなくていいよ。悲しい涙じゃないんだから」 どうして、悪魔のオオカミにはわかっちゃうんだろう… 「フフ…やっぱり、将さんは性悪じゃないよ」 「文香限定でね」 おどけたオオカミに、泣きながら笑った。 ・
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