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「はじめまして。片桐郁美(カタギリイクミ)です」
気恥ずかしそうに結ちゃんの隣に並んだのは、背が高くて、楚々とした雰囲気の綺麗な女性。
この人は、もしかして…
「は、はじめまして!あの、あの…文香です!
結ちゃ…違っ!えと、あ、兄の…その…」
「ブッ!文香、どもり過ぎ」
将さんは、私を落ち着かせようと、背中をポンポンと優しく叩く。
「だって、だって!そうなんでしょ?ね?結ちゃん、そうなんでしょ?」
「ククク…文ちゃん、日本語おかしいから」
気が急く私を、結ちゃんと一緒に郁美さんもくすくすと笑っている。
「うん…俺も結婚するよ。だから、今日、実家に帰る予定だったんだ」
郁美さんの肩を抱き寄せ、私に朗報を嬉しそうに知らせてくれた結ちゃん。
結ちゃんが結婚!!
安堵と嬉しさで、胸の中がいっぱいになる。
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