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「え?そんなの悪いよ!私も…」
「それはダメー。新郎新婦が結婚式の片付けするなんて、あり得ないから」
藤沢さんも手でバッテンを作って、片付けようとするのを制す。
「大体、そんなドレス引き摺って、片付け出来ないでしょ?」
私は視線を落とし、自分の姿を再確認して、千夏の言葉に納得する。
確かに…この恰好じゃ、片付けどころか、至る所にドレスが引っ掛かり、迷惑をかける可能性が高い。
でも、いいのかなぁ…
ここまでしてもらって片付けまで任せるのに躊躇っていると
「文香。優しい藤沢夫妻のお気遣いに甘えて、海辺デートしようよ?」
将さんはニヤリと悪戯っ子のように笑い、私の手を取った。
「何が優しいよ。それこそ取ってつけたように」
「ほらほら、早く行け。うちのカミさんの臍をこれ以上曲げないでくれよ」
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