Guns&Guardians

3/8
前へ
/12ページ
次へ
「どうせランキングの発表って言ったって全然変化のない顔ぶれだぞ、今週のヒットチャートを予想するよりも簡単なんだぞ」  却下されてもなおも食い下がる剣だったが、彼女の方はそんな剣の言葉などに耳を貸さなくなったのか、テレビを一点に見つめ続けている。  もう無理だ。剣は自ら引き下がるしかないと悟るや、ソファーに更に深く腰掛け目をつぶると夢の世界に旅立とうと、心を無にし始めた。  だが、彼が夢の世界に旅立とうとした矢先の事。彼と彼女の名を呼ぶ男性の声が耳に入ってくる。 「また応接室のテレビを見て……。二人とも、一応営業時間中なんですよ! ダラダラしてないで少しは出来る範囲で出来る事をしようとは思わないんですか」  まるで実家の口うるさい母親のように次々に言葉が出てくるその男性は、まさに一目で仕事のできる男性であった。  広告写真のようにスーツを着こなし、眼鏡をかけた整った顔立ちの持ち主である男性。  そんな彼はタブレットPCを片手に、ダラダラとテレビを見ていた二人に内心煮立っていた。 「いいですか、我が社は規模に似合うほど社員数が少ないんですよ。そして、あなたたち二人はそんな数少ない社員なんですよ! つまり」 「つまり、給料分ちゃんと働けって事でしょ。分かってますよ、先輩」  剣は未だに目をつぶりながらも、先輩と呼んだ男性の言いたい事を言い当てる。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加