3.光に包まれて

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「おーし、じゃあ今から試験開始すっからなー。ルールは簡単、自分の戦いかたをして力を十分に発揮すること。以上。じゃスタート」  女性のその一言と共に、リング上には体長二メートル弱ほどの土人形が四体出現した。姿から察するに、ありゃゴーレムかな? 「四体ねぇ、ほんじゃ、一人二体ってことで……お先にィ!」  そう言った冬馬は全身に魔力を纏わせて身体強化を使い、一気にゴーレムに近づく。そしてそのままゴーレムの頭を、アイアンクローの要領で握りつぶした。頭のなくなったゴーレムは、土に還るように消えてゆく。 「ヘッ! レベルを上げて物理で殴れってな!」 「いや、お前殴ってすらいないからな」  つーかホントに速すぎだろアイツの動き。常人なら確実に見えてなかったぞあのスピードは。現に受付の女の人固まっちゃってるしさ。はしたないよ、お口閉じて。 「ほーらぁ、大護もさっさと決めろよぉ」  わぁってるよと返しながら、どうやって倒そうか考える。でもまぁ、使ってみたいやつ使ってみるか。 「えぇっと、こんな感じ……かな? おぉ! できたできた!」  俺が作ったのは雷の剣。無難に"ライトニングセイバー"とでも言っておくか、ライトセイバーではない、断じて違う。にしても属性に"雷"なんて無かったから、多分これも特殊属性とやらに入るのかな、とか思いながらゴーレムに向かって走る。
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