4.いざ行かん、学園へ

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 ……遂にだ。遂にこの時がやって来た! 地球を離れて早二日! 意外と時間が経っていないことに驚きだけど、それは置いといて……。やっと異世界学園ライフが送れるんだ! 「おーい、大護ー。準備できたかー?」 「おう! バッチリだ! なんなら昨日の夜から完了してたぜ!」 「あ、魔力の時以来だね、ハイテンション大護君。とりあえず下行って、ナックさんにお礼言ってから学園向かおうぜ」  そうだな。一晩の約束だったのに無理言って二日間も世話になっちゃったしな。 「先に降りて待ってるから、大護もすぐに降りてこいよ。あんまりのんびりしてると学園にも遅刻しちまうしさ」 「オーケィ。了解した」  そう言って冬馬は先に下に降りたのだけど、思えば特に荷物なんて持ってきてなかったし、学園で必要なものは向こうで用意してくれてるだろう。……うん、持ってく物ないや。  そんなわけで俺もすぐに下に降りる。階段を降りきってカウンター席の方を見ると、ナックさんが朝から一杯飲んでいた。まて。 「おっ! ダイゴも起きたか! おはよーさん」 「おはようございますナックさん。この二日間本当にありがとうございました。宿だけじゃなくご飯まで食べさせてもらってしまって……」 「あー、いいからいいから気にすんなって。そういう固い挨拶って俺苦手なんだよ、また遊びに来まーすってかるーく出てってくれよ」  ナックさんは、俺の挨拶を遮ってそう言ってくる。ナックがそう言うならそうしよう。……時間もなくなってきたし。 「ありがとうございました。また来ますね、今度はギルド登録の時にでも」 「おう。そん時ゃよろしくな」  そんな挨拶をして俺は出入り口で待っていた冬馬のもとに。 「よぅし! そんじゃあ出発だぁ! 行くぞーぅ大護ーぅ」 「今度はお前がハイテンション野郎かよ……」  目指すはメリト魔法学園。
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