5.俺、時々学園

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 魔法学園に通い始めて早一週間が過ぎた。地球にいた頃には考えられないことが多いから、本当に濃すぎる一週間だったよ。回復薬の調合方法なんて地球で使うこと一生ないもんな。つーかあるわけない。  ……魔法学校に通い始めて早一週間。とゆうことは、ミーナに真実を話して(問い詰められて)一週間となっている。あのあと、ミーナに避けられるとかそういうのは特にない。強いて言うなれば、逆にミーナから話題を振ってくることが多くなったくらいだな。  他のやつにも話すことに関しては、やはりもう少し先にしようと思ってる。  別に深い理由とかはなくって……正直なところやっぱり話すのは怖い。普通に考えれば、唐突に"異世界から来たんです"なんて言っても、そうですか、いい病院紹介しますね。とかで終わって信じる方が可笑しいんだろうけど…… 「……ぃご……だい……っ……ば。……大護!」 「んぁ!? ……何だよ冬馬? いきなり大きな声だして」 「やあっと反応したか、つーかいきなりじゃねぇ、ずっと呼んでたんだよ。ほら、次の授業戦闘学だし、訓練所に向かおうぜ?」  ……俺が思考をめぐらせ始めたのが朝のHRの時で、戦闘学ってことは……もう三時限目じゃねぇか。  とりあえず急いで準備して、冬馬と一緒に訓練所に向かう。 「悪いな冬馬。手間かけさせちまって」 「なぁに、いいってことよ。大護があの状態になるのは珍しいことじゃないしな、何考えてたのかまでは流石にわからねぇけど」 「……考えてたのは、俺たちの事だよ。ミーナに話した一週間前の話題の」 「あれ、か。誰にいつ話すかとか、もう決めたのか?」 「いや、流石に決めらんねぇよ。それにまだ学園に通って一週間だ。これから十分に時間はあるだろ?」 「はっ、違いねぇ」
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