荒れ地の街道

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2日後新しい仲間を加えた一行はエリペモンを出立した。 護衛する隊商の荷馬車が2台と6頭のロバ、それにタティアスの軍馬を加えた一行は順調に街道を旅し続けた。 彼らを雇った商人はまだ若く赤の台地の持っていく穀物を捌き、帰りは工芸品を持ち帰るつもりらしい。 旅を進めるに連れて新しく入った仲間のホバートやメルヴェとも打ち解けていった。 バルチアもシャリアンヌも人見知りをする性格ではなく、ジャックルは他人に干渉しない性質なので打ち解けやすかったのだろう。 途中オークの一団の襲撃を受けたがそれ以外は特に何事もなかった。 エリペモンを出て10日ほどで街道沿いは徐々に植物の数は減り、岩が転がる荒地へと変貌していく。 荒涼とした景色と暑い日差しが一行の体力を奪っていく。 「この辺りで一旦休みませんか?ロバも疲れているようですし…」 御車台の商人・マーゲットは力なく頷いた。 それほど体力の無そうな彼は旅の疲れも溜まりはじめているのだろう。最近は口数も少なくなっている。
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