荒れ地の街道

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タティアス達は岩棚を出ると剣を抜きロックの気をひくように大きく左右に降る。 ロックはそれに気づいたようで猛然とベイリーに襲い掛かってきた。 「クッ…!」 ベイリーはその鋭い爪に捕まれる寸前に横に飛びのいてかわした。 しかしその大きな翼の巻き起こす突風が彼を容赦なくたたきつける。 彼が重いプレートメイルを着ていなければ吹き飛ばされていたかもしれない。 ロックは態勢を立て直すとすぐさま飛び上がり、上空で旋回しはじめた。 次の機会を狙っているのは間違いない。 タティアスは急いでベイリーに駆け寄ると彼を引き起こしそばの岩の上へ登る。 「こっちだ!」 タティアスはロックをさらに挑発するかのように抜いた剣を激しく左右に振りまわす。 横目で岩棚のほうを見るがまだホバートは魔法陣を描き終わっていないようだ。 ロックはタティアスに狙いを定めたかのようにまっすぐ彼に向かってくる。 「ベイリー!」 タティアスがそう叫んで岩を飛び降りたのとロックの鉤爪が岩を削ったのはそれほど差はなかった。 タティアスの声に反応したベイリーがまた獲物を取り損ねたロックの脚に剣で切りつける。 グシャッ… 鈍い音を立てて鮮血が辺りに散る。ロックが悲鳴ともとれる甲高い声をあげる。 遅れてタティアスが起き上がりざまに反対側の翼に切りつけた。 しかし羽根の何枚かを切り取っただけで翼そのものを傷付けるにはいたらない。
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