荒れ地の街道

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ロックは再び舞い上がるとまた2人を狙って旋回しはじめた。 「タティアス!戻って!」 ホバートの声に2人はうなずき、岩棚へ走り始めた。 ロックがその背後から襲いかかる。 バシィィッ… 2人が横に飛びのいたのとホバートの杖から出た火球がロックの首筋に当たるのとはほぼ同時であった。 2人はロックのひるんだ隙に岩棚に走りこむ。 ホバートが魔術語を唱えると魔法の障壁は完成した。 ロックは飛び上がることもなくそのする同くちばしで岩棚を突く。 岩の破片が飛び散るが魔法の障壁がそれを防ぐ。 「早くあきらめてくれ!」 ホバートの精神力が切れれば障壁は解ける。 そうすれば彼らのうちの誰かがこの巨鳥の餌食になってしまうだろう。 ロックの甲高い叫びがあたりに響く。 巨鳥はいったん舞い上がると再び上空を舞い始めた。 「あきらめたのか?!」 そういった彼らの視線の先にはもう一つの大きな影が近づくのが見えた。 「2羽目か…!」 「もっと最悪です…」 ホバートの回答に彼らが気づくのに時間はかからなかった。 その巨大な生き物は四肢を持ち巨大な翼を広げてむかってくる。 「ドラゴン…」 その名に戦慄さえ覚えた。
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