荒れ地の街道

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タティアス達は岩棚の下から息を殺して2匹の繰り広げる死闘を見つめていた。というよりもあまりの光景に動けなかったというのが正しい。 竜は勝利の雄叫びとも想える咆哮を発するとロックを食らいはじめた。 それにともないロックの大きな羽根と鮮血が辺りに撒き散らされる。 ドラゴンはあらかた食い散らかすと持てるだけの戦利品を抱え込んだまま今度は静かに舞い上がり、南の方へ飛び去っていった。 一同はしばらくすると呆けたように岩棚の下から這い出してきた。 「…もう大丈夫だよな…」 メルヴェに傷の手当てをしてもらってるベイリーの問いには誰も答えられなかった。 タティアスは握り締めたままだった剣を鞘に収めると巨鳥だった肉塊に歩み寄った。 彼の背丈より長い羽根があちこちに散らばり、飛び散った鮮血が岩の窪んだところに池を作っている。 「先に来たのがドラゴンだったら全滅してましたね…」 背中からホバートがつぶやきが聞こえる。
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