序章

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黒土平原に不安をもたらしたガリアートの内戦がおさまってから1年余りが過ぎようとしている。ガリアートはノヴァスコス最大の国家であり、たくさんの農産物を生産・輸出している。また交易路の重要な中継地点に位置するため他国に与える影響も多い。 王位継承権に端を発した内戦そのものは終息したものの、不安定な状況は未だに続いている。 しかしここエリペモン王国は近国ではあるがそれほど大きな影響のある国ではない。 もともと古くからの都市国家で王都近郊にも豊かな大地が広がり、国民を賄えるくらいの農産物の産出はある。 かつてはその赤の台地からの交易物は全てここを経由し、この国に莫大な富をもたらしてきた。 しかし黒の森をゆく街道が開かれて以来、その交易の中心はガリアートに移っていった。 しかし街の中心には戦神「カザス」の神殿があり、それを信仰する戦士達・時には諸国の王達も礼拝に訪れる。 そのため人の流れが常にあり街は賑やかさは失われていない。
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