序章

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五人の一行が街に入ったのはガリアートを発ってから6日後のことであった。 都の中心部は城壁で囲まれ、その中にはいくつもの尖塔が見える。 「俺は明日は神殿に行ってくる」 ベイリーはカザス神を信仰する神官戦士である。エリペモンに来たからには本神殿に礼拝するつもりである。 一行は城壁に程近い宿をとり、冒険者達が集まるという酒場に繰り出した。 「軍資金が心もとないな…隊商の護衛任務なんかあればいいんだが…」 エリペモンからガリアートの交易の中心が移った大きな原因はエリペモンを経由する砂漠の街道の治安の悪さだ。だから探せば隊商の護衛任務くらいはあるだろう。 また街の周辺部には古い遺跡がいくつかあり、また赤の台地へ向かう最後の街となるため冒険者達も数多く集まる。何かしらの情報くらいは手に入れられるだろう。
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