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身体を少し離してやっても芽衣が自分の目元を拭う気配がないので、これは俺の仕事らしいと気付き、こすると痛そうだからそこに口唇を寄せる。
「ふ、しょっぱい」
「……だって、木島ちゃん、有り得ない」
「何が」
「あたしがこの1年、どんだけ好き好きオーラ出してたと思ってんの……全然、気付きもしなかったくせにぃっ」
「……それは、ごめん……」
正直言うと、感じてはいた。
俺はきっと特別なんだろう、って。
でも、それは客としてだと思い込んでたんだ。
しつこくないし、最初に頼んだ以上のことは望まないし、ドロドロの汗とか垢まみれでは行かないし、どっちかって言うと自分は嬢にとって楽な客なんだろうって。
だから、好意を持ってくれるんだって。
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